犬に炭酸水は絶対NG?実は大丈夫?知っておくべき情報完全網羅

犬に炭酸水は絶対NG?実は大丈夫?知っておくべき情報完全網羅

暑い季節には、愛犬に何を飲ませるべきか悩むことありませんか?「炭酸水は与えても大丈夫なの?」という疑問を抱える飼い主さんも多いのではないでしょうか。

実は、犬と炭酸水については様々な情報が飛び交っています。「絶対NG」という意見から「問題なし」まで、正確な情報を見極めるのが難しいですよね。

この記事では、愛犬に炭酸水を与えるメリット・デメリット、与えるなら何に注意すべきかをわかりやすくお伝えします。

愛犬との健やかな毎日のために、正しい水分補給の知識を一緒に学んでいきましょう。

犬に炭酸水を与えても大丈夫?

「うちの子に炭酸水を飲ませても大丈夫かな?」と気になっている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

与える量や頻度、また炭酸水の種類によっては注意が必要な場合もあります。愛犬の健康を守るためにも、炭酸水を与える際のポイントや注意点をしっかり理解しておきましょう。

具体的にどの程度なら安全なのか、詳しく見ていきましょう。

少量なら問題なし

炭酸水は基本的に水に二酸化炭素を溶かしただけのもの。無味・無糖タイプであれば、犬にとって有害な成分はほとんど含まれていません。

「あっ!テーブルの炭酸水をちょっと飲んじゃった!」というハプニングがあっても、少量であれば心配しすぎる必要はありません。

小型犬の場合は大さじ1杯(約15ml)程度を目安にするとよいでしょう。中型犬や大型犬でも200ml以内に抑えることが推奨されています。

初めて与える場合は、まずは大さじ1杯程度から様子を見ながら与えるのが安全です。

水分補給は水道水で十分

日常の水分補給には、シンプルに「水道水」が最適。新鮮なお水こそが、ワンちゃんにとって一番自然で体に優しい水分です。日々の水分補給を炭酸水に置き換えるのはおすすめできません。炭酸水は特別なおやつ感覚で考えるのが良いでしょう。

水飲み容器は毎日洗浄し、少なくとも1日2回は新鮮な水に取り替えることをおすすめします。暑い季節は、水が早く温まったり雑菌が繁殖しやすくなるため、より頻繁な交換が必要です。

セラミックや金属製の水飲み容器は、プラスチック製よりも清潔を保ちやすく、雑菌の繁殖を抑える効果があります。

炭酸水と炭酸飲料の違い

炭酸水と炭酸飲料は、まったく別のものと考えましょう。無味の炭酸水は少量なら許容範囲ですが、コーラやサイダーなどの炭酸飲料はワンちゃんには厳禁です。

炭酸飲料に含まれる砂糖は、愛犬の肥満や糖尿病のリスクを高めてしまいます。さらに、カフェインは犬にとって中毒症状を引き起こす危険な成分。体重1kgあたり40~50mg摂取するだけでも、不整脈や神経過敏、嘔吐などの症状が現れる可能性があるのです。少量でも与えないようにしましょう。

レモンやグレープフルーツなど柑橘系の香りがついた炭酸水も要注意です。柑橘系の果物に含まれるソラレンやリモネンは過剰摂取すると危険な場合があります。

ワンちゃんの健康を考えるなら、純粋な無味・無香料の炭酸水以外は避けるのが安全です。

犬に炭酸水を与えるメリット・デメリット

炭酸水は人間にとっては爽快感があり、時に胃腸の調子を整えますが、犬の体は人間とは異なる構造をしています。犬の体質や生理機能を考慮すると、炭酸水の摂取によって思わぬリスクが生じる可能性も少なくありません。

ここでは、炭酸水が犬の体に与える影響について、メリットとデメリットの両面から詳しく解説していきます。

愛犬に炭酸水を与えるメリットは少ない

愛犬に炭酸水を与えることには、ほとんどメリットがありません。水分補給になるため脱水予防にはなりますが、これは普通のお水でも十分に得られる効果。わざわざ炭酸水を選ぶ必要はありません。

ラットによる研究では、炭酸ガスによって食欲が増進する可能性や腸管運動を促進する可能性が報告されています。

しかし、現段階では科学的根拠を持って炭酸水が犬の健康にメリットがあると示すことはできません。

炭酸水に含まれるカリウムやリンなどのミネラルも、愛犬の健康にはほとんど影響しません。大切なミネラル類は、バランスの良いドッグフードから十分に摂取できるものです。

お腹の膨満感が負担になる

ワンちゃんは人間と違って、体内に溜まったガスをげっぷとして上手に出せない体の構造をしています。炭酸水を飲むと気泡が胃の中に長時間滞留します。

これが、不快な膨満感や胃腸への負担につながることも。膨満感は単なる不快感にとどまらず、愛犬の食欲や水分摂取にも影響します。お腹が張った状態では大切なごはんや水を十分に摂れなくなり、栄養バランスや水分補給に支障をきたすことも。

胃の容量が小さいトイプードルやチワワなどの小型犬は、ほんの少量の炭酸でもお腹がいっぱいになってしまいます。

さらに怖いのが胃捻転のリスク。胃が大量のガスによって異常に拡張し、さらに捻転(ねじれ)を起こす可能性があるのです。大型犬や胸が深い犬種(立ち上がった際に胸の長さが胴の幅よりも長い特徴を持つ犬)は注意が必要です。

思わぬ健康トラブルのリスクも

愛犬に炭酸水を与えることで、思わぬ健康トラブルを招くことがあります。市販の炭酸水に含まれるミネラルやカルシウムの過剰摂取は、尿路結石の原因になることも。硬水タイプの炭酸水や、もともと結石に注意が必要な犬種では要注意です。

尿路結石の初期症状としては、頻尿、血尿、排尿時の痛みなどが見られます。犬が排尿時に痛がる様子や、いつもより頻繁にトイレに行くようであれば注意が必要です。

炭酸水に含まれるナトリウムの摂りすぎは血圧上昇につながり、心臓や腎臓に負担をかけることも。腎機能が低下している犬は、ミネラルの排出能力も低下しているため、炭酸水に含まれるミネラルが体内に蓄積し、症状を悪化させる恐れがあります。

持病のある犬や高齢犬には炭酸水を与えることは避け、通常の水を選ぶことが最も安全な選択と言えるでしょう。

犬に炭酸水を与える際の注意点

どうしても炭酸水を愛犬に与えたい場合、愛犬の健康に関わる注意点を押さえておく必要があるでしょう。

ここでは、愛犬に炭酸水を与える際に知っておきたい3つの重要なポイントについて詳しく解説します。

少量から始める

初めて炭酸水を与える場合は、大さじ1杯程度を目安に与えてみましょう。大量に与えると、炭酸の刺激で愛犬が驚いてしまう可能性があります。

繊細な性格のワンちゃんは、炭酸水で驚いた経験がトラウマとなり、水を飲むのを避けるようになってしまう可能性も。一口なめてすぐに離れる子もいれば、興味を持って何度もなめたがる子、びっくりして飛びのく子など、その反応は千差万別です。

初めて与える際は愛犬の反応をよく観察し、舌なめずりや喉を鳴らすなどの異常な反応があれば、すぐに中止してください。

下痢や嘔吐、お腹の張りなど、異常が見られた場合は、獣医師に相談することをおすすめします。

食事前は避ける

炭酸水は食事前に与えないようにしましょう。ガスでお腹がいっぱいになり、大切な食事を食べなくなることも。愛犬の健康維持には適切な栄養摂取が不可欠です。もし与えるなら、食後1〜2時間経ってからがおすすめです。

食事と炭酸水の摂取時間を分けることで、胃への負担を軽減することができます。食後は胃が重たくなっているため、すぐに激しい運動をさせることも避けるべきです。胃捻転予防の観点からも、食後は安静にして、その後時間をおいて炭酸水を与えるようにしましょう。

5kgの愛犬なら、一日の水分摂取量は250〜300ml程度が目安ですが、炭酸水はより少なめにしましょう。炭酸水を与える際は、食事のタイミングだけでなく、運動との関係にも注意が必要です。理想的には、まず運動をさせ、その後食事を与え、さらに1〜2時間経ってから少量の炭酸水を与えるというスケジュールが安全です。

与えるべきでない犬

尿路疾患のあるワンちゃんには、炭酸水を与えないほうが良いでしょう。膀胱結石や尿路結石の既往歴がある子は、ミネラル含有量に敏感なこともあるからです。

また、マグネシウム制限食の愛犬に硬水の炭酸水を与えると症状悪化の恐れがあります。マグネシウムの過剰摂取はストラバイト結石の原因になる可能性があるため注意が必要です。

持病のある愛犬、特に高齢犬や心臓・腎臓・消化器系に問題を抱える子には特に慎重に与えましょう。

食事療法中の場合は医師の指示以外の飲み物は控えるのが基本です。食欲不振、嘔吐、下痢、異常な喉の渇き、体重減少、元気の低下などの症状が見られるワンちゃんの場合、獣医師に相談してから水分補給の方法を決めましょう。

まとめ

愛犬にあえて炭酸水を与える必要はありません。少量なら直接的な害はないものの、メリットはほとんどなく、場合によってはリスクの方が大きくなります。愛犬の水分補給には清潔な水道水が最適です。

誤って少量飲んでしまっても過度な心配は不要です。ただし、お腹の張りや不快感があればすぐに獣医師に相談してください。

愛犬に炭酸水を与えるかどうか悩んでおられる方は、当サイトで紹介している犬の食事や水分補給に関する他の記事も読んでみてください。

また、『chico』雑誌版もオススメなのでまずは内容だけでも見てみてください。愛犬との生活をより豊かにするヒントがきっと見つかります。

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