犬用防災セットはこう作る!愛犬のためのセット例まとめ

chico vol.01 創刊号
愛犬のウェルネスをまじめに考える

「もしも愛犬と一緒に災害に遭ってしまったら…」そう考えると、何から準備すれば良いか、不安に感じてしまう飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

災害発生時は、どうしても人間の支援が優先されがちで、愛犬のごはんやお薬がすぐに手に入らないかもしれません。

だからこそ、大切な家族である愛犬を守るためには、飼い主さん自身が日頃から防災セットを準備しておくことが重要なのです。

この記事では、愛犬用防災セットに入れるべきアイテムや、フードの備蓄方法、持ち出し用と在宅避難用の使い分けなど、愛犬と一緒に災害を乗り切るための具体的な準備方法をご紹介します。

目次

犬用防災セットが必要な理由

愛犬用の防災セットの準備をすることで、いざという時の不安を減らせます。ここでは、犬用の防災セットが必要な理由について解説します。

ペット用の救援物資は時間がかかる

愛犬のための救援物資が届くまでには、思った以上に時間がかかってしまうことが多いものです。

環境省も、ワンちゃんのために少なくとも5日分、できれば7日分以上の備蓄をすすめています。

治療中の愛犬やアレルギーのあるワンちゃんの場合、普段のフードが手に入りにくくなることも考えられます。賞味期限をこまめにチェックしながら、古いものから使い、使った分を買い足していく「ローリングストック法」などを試してみるのも良いかもしれません。

災害時のストレスを最小限にできる

災害という非日常は、ワンちゃんにとって大きなストレスになります。慣れない場所や周囲の緊張感から、お腹の調子が悪くなったり、食欲がなくなったりと、体調に変化が現れる子もいます。

不安な気持ちを少しでも和らげてあげるために、普段から愛用しているおもちゃや、自分の匂いがついたタオルやブランケットなどを防災セットに一緒に入れておいてあげると良いでしょう。

愛犬が少しでもホッとできるような、「お気に入りのアイテム」を防災セットに加えておくようにしましょう。

避難を想定した準備も大切

災害時、建物の状況によっては、自宅での生活が難しくなってしまうことも考えられます。事前に愛犬用の防災セットをまとめておくことで、慌てずにワンちゃんと一緒に避難を開始できます。

避難所では、ペットフードやペット用品がすぐに手に入るとは限りません。

  • 愛犬専用の食事
  • 常備薬
  • トイレ用品

こうしたアイテムは、飼い主さん自身が用意しておく必要があります。

避難所では、動物が苦手な方やアレルギーを持つ方もいます。マナーパンツや消臭スプレー、吠え癖を抑えるためのおやつなども準備しておくことが大切です。

愛犬用の防災セットの整え方

愛犬の命を守るため、また避難生活を少しでも快適に過ごすためには事前の準備が欠かせません。

ここでは、愛犬との安全な避難と生活を確保するための防災セットの整え方をご紹介します。

持ち出し用と在宅避難用で分けて準備する

すぐに避難が必要な時と、家で過ごせる時とでは、必要なものの量も変わってきます。

持ち出し用の防災セットの中身は、リュックなどで背負える範囲で、すぐに必要なものが中心です。お水やフードは小分けにして持ち運びしやすいようにしておきましょう。

家で避難生活を送る場合は、物流が止まってしまうことも考えて、最低でも1週間くらいを目安に、フードやお水を備蓄しておきましょう。

体重5kgのワンちゃんなら1日に250~350mlくらいのお水が必要なので、愛犬の体の大きさに合わせて準備してあげてください。

防災リュックの選び方

愛犬用の防災グッズは、出入り口付近や玄関のクローゼットなど、すぐに手が届く場所にまとめて置くのがおすすめです。

持ち出し用のバッグは、両手が自由に使えるリュックタイプが便利です。小さなワンちゃんの場合、抱っこしながら荷物も持つことになるので、リュックだと避難しやすくなります。

一度、実際に荷物を詰めて背負ってみるなど、避難のシミュレーションをしてみるのも良いかもしれません。

定期的な点検と更新が必要

フードやお水、いつも飲んでいる薬には賞味期限があります。ウェットティッシュなども長く置いておくと乾いてしまうことがあります。

子犬の頃に用意したものが、今の体格や健康状態に合っているか、フードの量や種類、お薬の内容なども一緒に見直してあげましょう。

半年に一度くらいを目安に、中身を広げて確認する習慣をつけられると安心です。防災セットの見直しチェックリストを作ったり、カレンダーに印をつけたりするのも良いでしょう。

愛犬の防災セットに入れるべき必須アイテム

避難生活では普段通りの生活が難しくなりますが、事前に必要なものを準備しておくことで、愛犬の健康と安全を守ることができます。

ここでは、災害時に絶対に欠かせない必須アイテムをご紹介します。

食糧やお水は多めに用意

フードやおやつ、お水は、できれば一週間分用意しましょう。特に療法食を食べているワンちゃんは、手に入りにくい場合もあるので、少し多めにストックしておくと安心です。

災害時はストレスで食欲が落ちてしまう子もいます。普段より食べやすいウェットフードや、水分も一緒に摂れるゼリー状のおやつなどを準備しておくと良いでしょう。フードを1回分ずつ小分けにしてジップロックなどに入れておけば衛生的に保管できます。計量スプーンも一緒にしておくと便利です。

災害時という特別な状況でも、できるだけ普段と同じ量、同じ回数のごはんを心がけてあげることが、愛犬のストレスを少しでも和らげることにつながります。

健康管理や安全確保グッズ

いつも飲んでいるお薬があるワンちゃんは、事前に獣医師と相談して、少し多めに備蓄しておくと安心です。薬の名前、用法、用量を正確に把握するために、処方箋やお薬手帳のコピーを防災セットに入れておきましょう。

割れたガラスやガレキが散らばる道を歩くことになるかもしれないので、ワンちゃんの足を守るためのバンデージや犬用の靴・靴下なども用意しておくと、ケガの心配を減らせるかもしれません。

災害時にいきなり履かせても嫌がって歩かないことが多いです。普段から少しずつ履かせる練習をし、靴や靴下に慣らしておきましょう。

衛生管理・マナー用品

避難所など、普段と違う環境では、ワンちゃんのトイレの粗相やニオイなど、衛生面への配慮がいつも以上に大切になります。

吸収力の高いペットシーツや、ニオイをしっかり閉じ込める排泄物の処理袋を多めに用意しておくと安心です。

サッと取り出して使えるマナーポーチや、気になる場所の消臭・抗菌ができるスプレーもあると心強いです。アルコール不使用のペット用ウェットティッシュがあれば、体や手足の汚れを優しく拭き取ってあげられます。

愛犬の非常食はこう備える!種類と保存方法

愛犬の健康を守るためにも、食料の備蓄は特に重要な防災対策となります。

ここでは、災害時に愛犬の食事をどのように確保するか、そのための非常食の種類や保存方法について詳しく解説します。

ドライフードとウェットフードの使い分け

避難が必要になった場合、持ち運びやすさはとても重要なポイントです。

ドライフードは、軽くてかさばらず、開封後も常温で保存できるという大きなメリットがあります。

避難袋に入れる最初の選択肢として、まずドライフードを準備しておくと、荷物の負担を減らしつつ、愛犬の「いつもの味」を確保できるので安心です。

ウェットフードは香りの良さと水分量の多さから、普段ドライフード派のワンちゃんでも喜んで食べてくれることが多い、嗜好性の高いごはんです。慣れない環境やストレスで食欲が落ちてしまった時でも、食べてくれる可能性があります。

ローリングストック法で常に新鮮なご飯を

非常食の賞味期限が気になる方におすすめなのが、「ローリングストック法」です。

普段から愛犬が食べているドッグフードやおやつを少し多めに買っておき、古いものから順番に使って、消費した分だけ新しく買い足していく方法です。

いざという時も慌てずに、いつも食べている新鮮なごはんを愛犬に用意してあげられます。

フードだけでなく、常温で保存できるバナナやりんごなど、愛犬が好きでアレルギーの心配がない果物があれば、少量をおやつや食事のトッピングとしてストックしておくのも良いでしょう。

食欲不振時の対策と工夫

災害によるストレスで食欲不振のワンちゃんには、食事の「香り」で優しく食欲を刺激してあげるのがおすすめです。

いつものフードに、風味豊かなチキンスープや魚のゆで汁を少量かけたり、ほんの少しだけ質の良いオイルを垂らしてあげたりするだけで食欲が回復することも。

レトルトパウチのフードなどは、お湯で少し温めるだけで香りがぐっと強くなり、ワンちゃんの興味を引くことがあります。

食欲がない時は、消化のしやすさも大切なポイント。普段から食べ慣れているフードの中でも特に消化が良いものを選んだり、お腹の健康をサポートする乳酸菌などが配合されたフードを非常用に備蓄しておくと安心です。

まとめ

災害時、ペット用品の供給は後回しになりがちです。災害対策として、愛犬用の防災セットを準備しましょう。

防災セットは「持ち出し用」と「在宅避難用」の2種類を用意しましょう。フードや水、常備薬などは定期的に使用期限をチェックし、古いものから順に使って新しいものと入れ替える「ローリングストック法」がおすすめです。

犬用防災セットに関してお悩みの飼い主さんは、当サイトで紹介している防災対策に関する他の記事も読んでみてください。また、『chico』雑誌版もオススメなので、まずは内容だけでも見てみてください。

今日から少しずつ愛犬用防災セットの準備を始めて、もしもの時に慌てないようにしましょう。

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