【犬用の水】水道水でいいの?ミネラルウォーターがいいの?徹底解説!

chico vol.01 創刊号
愛犬のウェルネスをまじめに考える

ワンちゃんの飲み水について「どんな水を飲ませるのが正解なの?」と悩んでいる飼い主さんも多いのではないでしょうか。「水道水でいいのか、それともミネラルウォーターのほうが安心?」と、何かと悩んでしまうものです。

でも実は、愛犬の飲み水選びはそれほど難しくはありません。重要なのは「新鮮さ」と「清潔さ」を保つこと。この記事では、愛犬に最適な水の選び方から日々のお手入れ方法について徹底解説します。

目次

愛犬に水道水をあげても大丈夫?

「水道水って犬に与えても平気かな?」と不安に思っている飼い主さんもいらっしゃると思います。結論から言うと、日本の水道水は愛犬にとっても安全で、理想的な飲み水のひとつです。

実は日本の水道水は世界でもトップクラスの水質で、ワンちゃんにあげても問題ありません。

日本の水道水は実はとっても優秀!

水道水は「水道法」に基づき、51項目にもおよぶ厳しい基準をクリアしたうえで供給されています。

日本の場合、ほとんどが「軟水」で、ミネラル分が少なくワンちゃんの体にもやさしいのが特徴です。硬度(カルシウムやマグネシウムの含有量)が低いため、愛犬の腎臓や尿路系への負担が少なく、安心して飲ませることができます。

子犬やシニア犬、体調が気になるワンちゃんにも適しており、特に発育中の子犬や、内臓機能が衰えやすいシニア犬にとって、不純物の少ない日本の水道水は理想的な飲み水といえるでしょう。

カルキ(塩素)のニオイが気になるときは?

「水道水の匂いって気にならない?」と思う方もいると思います。実は、煮沸したり冷蔵庫で冷やすとニオイが和らぎます。特に煮沸は塩素を飛ばす効果があり、冷やすことでもニオイを感じにくくなるでしょう。

浄水器を通した水をワンちゃんに与えるのも問題ありませんが、注意すべき点があります。塩素が取り除かれることで雑菌が繁殖しやすくなるため、早めに使い切ることが大切です。特に、夏場は殺菌効果が弱まるので、半日位内に交換するのが安心です。

地域によって水質には差があるため、気になる場合は自治体の情報を確認するのもおすすめです。

多くの水道局ではホームページ上で水質検査の結果を公開しており、自宅の水の状態を把握することができます。

水道水をあげるときのちょっとしたコツ

毎日新鮮な水に交換するだけでなく、飲み水用のボウルや給水器もこまめに洗うことが、愛犬の健康維持には欠かせません。犬の口の中には人間より多くの細菌が存在しており、水に触れることで雑菌が繁殖しやすくなるためです。

少なくとも1日1回は水を取り替え、あわせてボウルや給水器も清潔に保ちましょう。特に暑い季節は水が傷みやすいため、こまめなチェックが大切です。濁りや匂いに気づいたらすぐに新しい水に交換してあげてください。

ミネラルウォーターってどうなの?選び方のコツ

「市販のミネラルウォーターを愛犬に与えた方がいいのかな?」と考えたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか。

しかし、すべてのミネラルウォーターがワンちゃんに適しているとは限りません。選び方を誤ると、思わぬ健康トラブルにつながる可能性もあります。

ワンちゃんには「軟水」タイプを選ぼう

ミネラルウォーターには、「軟水」と「硬水」の2種類があります。軟水はミネラル分が少なく、ワンちゃんの体にもやさしいお水です。

一般的には、硬度が100mg/L以下のものが軟水と呼ばれていて、ワンちゃんの腎臓やおしっこの通り道に負担をかけにくいです。愛犬にも安心して与えることができます。

硬水はカルシウムやマグネシウムが多く、ワンちゃんに負担をかけることがあるので避けましょう。特に、尿路結石や腎臓に不安のあるワンちゃんには避けたほうがよいでしょう。

市販の「南アルプスの天然水」や「いろはす」などは、硬度30mg/L前後の超軟水に分類され、愛犬の日常的な飲水としても最適。スーパーやコンビニで手軽に手に入る点も、飼い主さんにとっては嬉しいポイントです。

ペット用ミネラルウォーターのメリット

ペット用のミネラルウォーターは、獣医師の監修を受けたものが多く、犬の体質に合わせた成分バランスになっています。体調管理したいときやお出かけ用におすすめです。

災害時の備蓄水としても役立つから、ストックしておくといざという時も安心。非常時には飼い主さんも愛犬と同じ水を共有することになるかもしれませんが、ペット用の水があれば愛犬の分をしっかり確保できます

人間用のミネラルウォーターでも、硬度が低い軟水であれば基本的にワンちゃんに与えても問題ありません。ただし、炭酸水やフレーバー入りのものは絶対に避けましょう

香料や糖分が添加されている製品は、愛犬の体に負担をかける可能性があります。とくに消化器官や腎臓に影響を与えるおそれがあるため、健康を守るためにも与えないようにしてください。

ミネラルウォーターをあげるときの注意点

ミネラルウォーターは塩素が入っていないので、開封後は早めに使い切りましょう。殺菌作用のある塩素が含まれていないため、開封後は雑菌が繁殖しやすいため注意が必要です。

特に暑い時期は1日以内に使い切るのが理想的です。

体調が気になるワンちゃん、持病があるワンちゃんは、念のため獣医師に相談してから選ぶと安心です。特に腎臓病や尿路結石の既往歴がある場合は、ミネラル成分の種類や量が重要になってくるため、獣医師に相談してからあげるようにしてください。

ワンちゃんの飲み水で気をつけたいこと

飲み水は毎日の健康を守るためにとても大切なもの。愛犬の健康を守るためには、どんな水を与えるかだけでなく、毎日の管理方法も重要なポイントになります。

衛生面への配慮や、避けるべき水の種類を知ることで、愛犬の飲み水によるトラブルを防ぎましょう。

与えてはいけない水もあるので要注意!

炭酸水やフレーバーウォーター、糖分や香料入りの水はワンちゃんの体に良くないので絶対避けてください。人間用のフレーバーウォーターには犬にとって有害な成分が含まれていることがあり、消化器系のトラブルや肥満の原因になってしまう危険があります。

川や海、水たまり、プールの水は雑菌や寄生虫のリスクがあるため、飲ませないようにしましょう。特に外出時、ワンちゃんが自然の水を飲もうとする場合は注意が必要。犬の健康によくない様々な病原体が潜んでいる可能性があります。

井戸水や湧水も安全性がはっきりしない場合は控えたほうが無難です。定期的な水質検査を行っている場合を除き、有害物質や微生物による汚染のリスクがあるため、日常の飲み水としては水道水やミネラルウォーターの方が愛犬にとって安心です。

衛生管理は毎日の愛情ケア

水は毎日新しくして、ボウルや給水器もピカピカにしてあげるのが健康の秘訣。犬は人間より雑菌に弱い面があるため、飲み水の清潔さは健康維持の基本です水の交換とあわせて、少なくとも1日1回はボウルも綺麗に洗いましょう。定期的に洗剤でしっかりと洗うと、より清潔に保つことができます。

自動給水器やフィルター付きのボトルを使うと、いつでも新鮮な水が飲めて便利です。特に留守番が長い場合や、飼い主さんの負担を減らしたい場合におすすめ。ただし、これらの器具も定期的な清掃が必要なことを忘れないでください。汚れたままだと逆効果になってしまいます。

暑い季節やお留守番が長い日は、特に水の状態をこまめに確認しましょう。高温時は細菌の繁殖が早まり、水が傷みやすくなります。また、長時間の留守番では水がなくなる心配もあるため、十分な量を用意し、出来るのであれば複数の場所に置いてあげると安心です。

体調や年齢に合わせた水選びも大切

腎臓や尿路の病気があるワンちゃんには、ミネラル分が少ない軟水やペット用の水を選ぶと安心です。これらの疾患はミネラルバランスの影響を受けやすいため、特に硬度の低い水を選ぶことで症状の悪化を防ぐサポートになります。愛犬の健康状態に合わせて、水の種類にも気を配ってあげましょう。

また、子犬やシニア犬は体調の変化に敏感なので、特に新鮮な水をこまめに用意してあげましょう。成長期の子犬は水分代謝が活発で、シニア犬は腎機能の低下などから水分摂取が特に重要です。常に清潔なお水を飲める環境を整えてあげてください。

水をあまり飲まない子には、食べ物に水を加えたり、ウェットフードを取り入れるのも一つの方法です。

ワンちゃんによっては、自発的に水を飲む量が少ないこともあるため、食事からの水分摂取も意識してみましょう。

特に暑い時期や運動後は、脱水を防ぐためにもこまめな水分補給が必要です。日々の小さな気配りが、愛犬の健やかな生活には欠かせません。

まとめ

日本の水道水は軟水で犬にも安心ですが、毎日新鮮なものに交換し衛生管理を心がけましょう。塩素のニオイが気になる場合は、煮沸や冷蔵庫で冷やすなどの工夫で改善できます。

ミネラルウォーターを使うなら、硬度100mg/L未満の軟水を選び、硬水や添加物入りの水は避けてください。ペット専用の水は安心ですが、人間用でも軟水なら問題ありません。ただし、開封後は早めに使い切りましょう。

大切なのは水の種類よりも「新鮮さ」と「清潔さ」です。水に関してお悩みの人は、当サイトで紹介している犬の健康管理に関する他の記事も読んでみてください。

また、『chico』雑誌版でも、飼い主さんとワンちゃんのためになる情報をお届けしていますので、手に取っていただけると嬉しいです。愛犬の健康を守るために、ぜひ日々の水分管理を見直してみてください。

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