すいかは犬に与えていい?今さら聞けない基本と注意点を完全網羅

chico vol.01 創刊号
愛犬のウェルネスをまじめに考える

夏の暑い日、みずみずしい「すいか」を愛犬と一緒に楽しみたいと思ったことはありませんか?

実は、すいかは犬に与えても基本的に安全な果物です。しかし、与え方や量を間違えると愛犬の健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。種や皮の部分は危険であり、適切な処理が欠かせません。

愛犬にすいかを与える際の基本的な知識から、体重別の適切な量、与え方のコツまで、飼い主さんが知っておくべき情報を詳しく解説します。

正しい知識を身につけて、愛犬と一緒に安全にすいかを楽しみましょう。

目次

犬とすいかの基本関係

すいかはワンちゃんにとって危険な食べ物ではありませんが、与える前に確認すべきポイントがいくつかあります。

ここでは、すいかを与える際の基本的な知識や注意すべき点について詳しく解説します。

犬はすいかを食べても基本的に大丈夫

すいかにはワンちゃんにとって有害な成分が含まれていないため、安心して与えることができます。チョコレートや玉ねぎのような中毒の心配がないのも安心できるポイントです。

すいかの約90%は水分で構成されているため、夏場の水分補給や熱中症対策として非常に効果的です。普段水をあまり飲みたがらない子や、暑さで食欲が落ちてしまった子にとって、甘くて美味しいすいかは最適な水分源になるでしょう。自然な甘さで愛犬の食欲を刺激しながら、同時に必要な水分を補給できます。

すいかは消化しやすく、100gあたり約40kcalと低カロリーなので、肥満や糖尿病が心配な子にも適したおやつです。適量であれば他の果物と比べてもヘルシーなので、安心して与えられます。

すいかを与える前に確認すべきこと

初めて与える際は必ずごく少量からスタートし、アレルギー反応が出ないかをしっかりと観察しましょう。どんなに安全とされる食べ物でも、ワンちゃんによっては体質に合わない場合があります。与えた後は数時間から一日程度、いつもと変わった様子がないかを見守ってあげてください。

注意が必要なのは、過去にウリ科の食べ物(メロンやきゅうりなど)でアレルギー症状を起こしたことがある子です。すいかも同じウリ科に属するため、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどの症状が現れる可能性があります。

愛犬の食べ物の履歴を振り返り、心配な点があれば慎重に判断しましょう。

すいかには豊富なカリウムが含まれています。腎臓病や心臓病などの持病をお持ちの子の場合は、事前にかかりつけの獣医師に相談しましょう。

食べさせてはいけないすいかの部分

すいかの種は消化されにくく、腸閉塞を引き起こす可能性があります。小型犬の場合、小さな種でも腸に詰まってしまい、手術が必要になったり命に関わる事態になったりすることもあります。すいかを与える前には、面倒でも必ず種をすべて丁寧に取り除いてあげましょう。

緑色の硬い皮の部分にも注意が必要です。人間も皮は食べないように、犬にとっても皮は消化しづらく、下痢や嘔吐などの消化器症状を引き起こす恐れがあります。見た目には問題なさそうに見えても、愛犬の胃腸には大きな負担となってしまいます。

果肉と皮の間にある白い部分も、できれば避けた方が安心です。消化しにくく、栄養価も低いため、愛犬にとって食べるメリットがありません。

手間はかかりますが、赤い果肉の部分だけを小さくカットして与えることをおすすめします。

すいかが犬にもたらす栄養効果

すいかは単に美味しいだけでなく、犬の健康維持に役立つ様々な栄養素を含んでいます。

ここでは、水分補給から抗酸化作用まで、すいかに含まれる成分がどのようにワンちゃんの体に良い影響を与えるのかを詳しく見ていきましょう。

水分補給と熱中症対策に優れる理由

夏場は脱水症状が心配ですが、すいかならワンちゃんが楽しみながら必要な水分を補給できます。すいかは約90%が水分で構成されているため、普段水を飲みたがらない子でも、自然な甘みに誘われて喜んで食べてくれることが多いのです。

水分と一緒に糖分やミネラルも摂取できるため、熱中症予防により効果的と考えられています。ただの水よりも体への吸収が良く、疲労回復にも役立つとされているため、暑い日の散歩後のクールダウンとしても最適でしょう。

すいかには豊富なカリウム(100gあたり約120mg)が含まれており、体内の余分な塩分の排出を促進する働きがあります。血圧の安定化やむくみの解消にも役立つとされています。ただし、腎臓や心臓に持病がある子の場合は、カリウムの摂取量に注意が必要な場合もあるため、気になることがあれば獣医師に相談してみてください。

抗酸化作用で犬の健康維持をサポート

すいかの栄養素で注目したいのが、赤い果肉に含まれるリコピンという成分です。品種や熟度によって、すいかのリコピン含有量はトマトの約1.5倍、あるいはそれ以上になる場合があります。

強力な抗酸化作用によって活性酸素を除去し、細胞の老化を防ぐ重要な働きを担っています。

すいかにはビタミンCやβカロテンといった栄養素も含まれており、ワンちゃんの免疫機能を高める効果が期待できます。がん予防や老化防止にも役立つと考えられているため、シニア犬にとってはありがたい栄養素と言えるでしょう。

βカロテンは体内でビタミンAに変換される性質があり、皮膚や粘膜の健康維持、そして視力の維持をサポートしてくれます。ただし、食物から摂取できる栄養効果は適量を継続的に与えることで期待できるものです。獣医師と相談しながら愛犬に最適な量を見つけてあげてください。

その他の健康メリット

すいかに含まれるシトルリンは血管を拡張して、血流を改善する働きがあると考えられています。疲労回復が促進されるため、活発に動き回る愛犬におすすめです。

体重管理が気になる飼い主さんにとって朗報なのが、すいかのカロリーの低さです。100gあたり約40kcalと非常にヘルシーなため、肥満気味の子やダイエット中の子にも安心しておやつとして与えることができます。

すいかには、タンパク質やアミノ酸の代謝を助けるビタミンB6も含まれています。筋肉の健康維持や神経機能の向上にも役立つ栄養素とされているため、愛犬の全身の健康をサポートしてくれるでしょう。

すいかを犬に与える正しい方法

栄養豊富で美味しいすいかでも、与え方を間違えると愛犬の体に負担をかけてしまう可能性があります。

ここでは、愛犬の体重や年齢に応じた適切な量、安全な処理方法、そして注意すべきポイントについて詳しく解説します。

犬の体重別適切な量

愛犬にすいかを与える際は、体重に応じた適切な量を守ることが大切です。与えすぎは消化不良や下痢の原因となってしまうため、注意が必要です。

  • 小型犬(3kg程度)・・・15~20g
  • 中型犬(10kg程度)・・・30~40g
  • 大型犬(20kg以上)・・・90~100g

これらの上限を目安として、2cm角にカットしたすいかで換算すると、小型犬は1-2個、中型犬は4ー5個、大型犬でも11ー12個程度が適量となります。

体が大きなワンちゃんでも、思っているより少ない量が適切であることを覚えておいてください。どのような体格でも、1日の総摂取カロリーの10%以内に抑えることが重要です。

すいかの最適な与え方

ワンちゃんにすいかを安全に与えるためには、適切な下処理と与え方が重要です。まず、種と皮を完全に取り除き、赤い果肉部分だけを2cm程度のサイコロ状にカットしてください。

小さくカットすることで、喉に詰まらせるリスクを避けることができます。

冷蔵庫から出したばかりの冷たいすいかは、愛犬の胃腸に負担をかける可能性があります。常温に戻してから与えるよう心がけましょう。胃腸が敏感な子や体調が優れない時は、特に意識してください。

初めてすいかを与える場合は、少量から始めることが安全対策として重要です。最初は本当に小さなひとかけらから与えて、愛犬の反応や体調の変化を注意深く観察してください。問題がなければ徐々に適量まで増やしていきましょう。

子犬・シニア犬への配慮点

子犬は消化機能がまだ未熟なため、成犬よりもさらに慎重に与えましょう。ごく少量から始めて、下痢や嘔吐などの消化不良の症状が現れないか、最低でも24時間は注意深く観察してください。

シニア犬の場合、喉の渇きを感じにくくなる傾向があるため、水分豊富なすいかは熱中症対策として有効です。しかし、年齢とともに消化能力も低下していることを忘れてはいけません。

水分補給効果を活用しつつも、量は控えめにして胃腸への負担を軽減することが大切です。

どの年齢のワンちゃんでも、初めてすいかを与える際は少量から始めることが鉄則です。アレルギー反応や消化不良の兆候がないか見守りましょう。

まとめ

すいかは正しく与えれば、ワンちゃんにとって安全で栄養価の高い食べ物です。たっぷりの水分で熱中症対策にもなり、抗酸化作用による健康サポートも期待できます。ただし、種や皮は必ず取り除くこと、与える量を調整すること、愛犬それぞれの体質や体調に合わせて配慮することが大切なポイントです。

愛犬の体重や年齢に合わせて適量を守り、常温に戻してから小さくカットして与えることで、すいかをより一層楽しめるようになるでしょう。

犬の食事や栄養に関してお悩みの飼い主さんは、当サイトで紹介している犬の健康管理やおやつに関する他の記事も読んでみてください。また『chico』雑誌版では、愛犬との暮らしに役立つ情報をさらに詳しく掲載しています。まずは内容だけでものぞいてみてください。

正しい知識でフードやおやつを選び、愛犬と一緒に楽しい夏の思い出を作りましょう。

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