春の柔らかな日差しの中、満開の桜を背景に振り向く小さな瞳。その一枚が、今回のフォトコンテストでchico賞に輝きました。今も元気に暮らすチワプーのマウナちゃんと、すでに虹の橋を渡ったヨーキーのモアナくんとが並ぶ桜の振り向きショット。和田さんご夫婦にとって大切な思い出を残した一枚が、多くの人の心を惹きつけました。
現在はマウナちゃんに加えて、今年1月に迎えたヨーキーのカイナくんが家族の一員となり、にぎやかで楽しい毎日を過ごしています。モアナくんが教えてくれた“犬と共にある暮らし”について、飼い主の和田さんご夫婦に伺いました。
モアナが遺した思い出と今の暮らし
「写真を撮られるのが大好きで、自分が注目されていることをよく分かっている子でした」
奥さまはモアナくんをそう振り返ります。桜の花びらを背中いっぱいにあしらった衣装を着て振り向いた瞬間、凛とした存在感を放つ姿は、ご夫婦にとって忘れられない記憶となりました。
その思い出は今も、ご夫婦の暮らしを支える力になっています。マウナちゃんは落ち着いたシニアとして寄り添い、カイナくんは元気いっぱいに飛び跳ねる。異なる個性の2匹と過ごす日々は、かけがえのない彩りを添えています。

愛犬ファッションは暮らしの一部
和田さんご夫婦の特徴は、愛犬の衣装をすべて手作りしていること。すでに10年以上の経験があり、季節やお出かけ先に合わせて新しい服を仕立てています。
「既製品は丈が合わずにお尻が出てしまったり、動きにくかったりするんです。だから、手作りならこの子たちの体にぴったり合わせられる。古着やスカーフをリメイクしたり、工夫次第でいくらでも可能性が広がります」
桜のドレスに使われた花びらは、100円ショップで購入した造花。ひとつずつ丁寧にばらし、風に揺れるように縫い付けました。歩くたびに本物の桜が舞うように見え、撮影中に通りがかった人が「本物かと思った!」と声をかけたほど。
夏にはご夫婦と2匹でお揃いのアロハシャツを着る「リンクコーデ」を楽しみます。パパさんは普段からアロハシャツしか着ないそうで、そのこだわりが愛犬たちにも反映され、20パターン以上のファミリーコーデが完成しました。まさに「家族全員で一枚の絵になる」ような存在感です。


ご主人のDIYが光る“小物の魔法”
ファッションを完成させるのは洋服だけではありません。注目を集めるサングラスや眼鏡といった小物も、パパさんのDIYの腕によるものです。
「子ども用のサングラスを改造して、顎のゴムで固定できるようにしました。走っても落ちないし、動いてもズレない。市販品より丈夫で、この子たちにぴったりです」
モアナくんもカイナくんもサングラスを嫌がることなく、むしろ堂々と身につけて歩きます。人に注目されるのが好きな性格も手伝って、すれ違う人が二度見したり声をかけてきたり。散歩はいつも小さなファッションショーになります。

シニアとパピー、それぞれの個性
13歳のマウナちゃんは、落ち着きと包容力を備えた存在。以前は甘えん坊でしたが、カイナくんがやって来てからはお姉さんらしい振る舞いを見せています。
一方、1歳のカイナくんはエネルギーに満ちあふれ、遊びに夢中。マウナちゃんがのんびり過ごしていても「遊ぼう!」と迫り、毎日のように叱られています。
「でも、そのやり取りがあるからこそ、マウナも若々しくいられるんだと思います」とご主人。シニアとパピー、それぞれの違いがあるからこそ、暮らしにハリが生まれているようです。

内面からのケアと“心の声”
食事と健康管理も、和田家にとって大切なテーマです。厳選したフードに肉や野菜、サツマイモ、クコの実、大根おろしをトッピングする手作りご飯。月に一度は友人が所有する「ドッグスキャン」でDNAレベルの健康チェックを行い、首輪型デバイス「ワンボイス」で心拍数や呼吸数を日常的に確認しています。
さらにアニマルコミュニケーター・へんみ なおこ先生に年に2〜3回相談し、犬たちの気持ちを聞くことも。カイナくんが「家族と一緒に寝たい」と思っていることや、マウナちゃんが「お姉ちゃんとして頑張っている」と自覚していることなど、心の声を知ることで暮らしに反映しています。
「先代のモアナが亡くなったときにも、先生に気持ちを伝えてもらえて安心できました。今は穏やかに過ごしていると知れたことが大きかったです」と奥さま。過去の思い出が今の暮らしを支えてくれているのです。
思い出の場所と広がるご縁
ご夫婦のお気に入りスポットのひとつが、伊豆高原の「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン」。フォトコンテストでの入賞をきっかけにパンフレットや看板に写真が掲載されるなど、特別な縁を育んできました。
「犬連れに優しい取り組みが多く、こちらのアイデアでアンブレラスカイや写真撮影用のテーブル設置が実現したこともあります。四季折々の花と海、ステンドグラスの光景が楽しめて、土日でも比較的ゆったり過ごせるのでおすすめです」
また、マルシェやイベントにも積極的に参加。インスタグラムを通じてフォロワーから声をかけられることも多く、「愛犬がつないでくれる縁の広がりを実感しています」とご夫婦は微笑みます。

未来への夢とこれから
和田さんご夫婦には、これから叶えたい夢があります。
ひとつは、マウナちゃんとカイナくんがそろって犬専門のファッション雑誌の表紙を飾ることです。
マウナちゃんと先代のモアナくんは、それぞれで表紙を経験していますが、二匹一緒にという夢は叶いませんでした。その想いを今後はマウナちゃんとカイナくんで実現させたいと願っています。
もうひとつは、犬のファッションコンテストで再びグランプリを獲得すること。これまでも優勝や入賞を重ねてきましたが、マウナとカイナでも再び一位を取りたいという新たな目標は尽きることがありません。さらに、犬同伴可能な宿泊施設のモデル犬としても活動し、愛犬とのライフスタイルの魅力を広めていきたいと考えています。

「わんこがいてくれてよかった」
――ご夫婦が最後に語ってくださった言葉は、シンプルながら重みがあります。
モアナくんが残してくれた思い出は、今もご夫婦とマウナちゃん、そしてカイナくんの暮らしに息づいています。桜の振り向きショットは、その象徴といえる一枚。世代が変わっても絆は続き、これからも新しい思い出が積み重なっていくでしょう。
四季折々の衣装に身を包み、和田さんご夫婦と愛犬たちの物語は、これからも明るく豊かに続いていきます。





